TJAR2014 7日目(8/16)

TJAR2014 8/16 7日目のこと

荒川小屋でのビバークから佐幸選手、西田選手と3人揃って2時ごろに起床し、準備を整え出発した。
準備中は寒さがあったが行動し始めると気にならなくなった。

この日の目標は井川ACまで。

赤石岳への登りは雨だったこと以外ほとんど覚えていない。
途中赤石小屋への分岐で道を間違え5分ほどロスした。
こういう時にパーティだと心強いと思った。

赤石岳でも降雨と視界不良のためすぐに先を急いだ。
赤石岳避難小屋に5時前には到着した。
小屋に入ると中の登山客はもう起床して準備をしていた。
管理人からこんな時間に小屋を利用するのは非常識だと注意を受ける。
この時間帯で利用することが当然とは思っていないことと大会のルールを説明し、もし可能であればと食事を提供をお願いする。
管理人は基本的には大会を応援してくれている姿勢だったが、こんな利用の仕方をしていたら今後の他の山小屋を含めの協力を得られなくなるとの忠告を受け、運営側にも伝えるよういわれた。
ごもっともなので素直に聞いていた。
しかし、結局はやさしいご主人で、食事(普通の朝ごはん)はできないけど、カップめんならできると言ってくれ、カップめんを2つとコーヒーを補給した。
食事中もストーブの前に座らせてくれ、心も体も温まった。

赤石岳避難小屋を出発すると、空が明るくなってきていた。
百閒洞を目指し進んでいると進行方向から応援者が来ていた。
話を聞くと、大原選手が百閒洞で宿泊したが、寒さで苦労しているそうだった。

百閒洞山の家に着くと大原選手に出会った。
なんでも9時間も寝ていたそうで、シュラフがぬれて寒くてモチベーションが上がらなかったらしい。
山の家も営業が始まっていたので、ここでカレーうどんを食べてさらに温まった。

大原選手を含めた4人で最後の3,000m峰である聖岳に向けて出発した。
十分に休んだ大原選手は元気いっぱいで、出発してすぐの登りで先に行った。
残った3人は雨で眺望もない登山道を坦々と進み、特に苦労もなく聖岳に到着した。

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聖岳山頂にて。西田選手、佐幸選手と

聖岳で証拠写真を撮って、すぐに先に進んだ。このころには雨は止んでいたと思う。
聖岳の下りでかなり速いペース登ってくる人がいると思ったら、前回大会の完走者の小野選手だった。
ずっと逆走して応援してくれているそうだった。
少しだけ話をして、先にすすむ。

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小野選手がとってくれた写真

下っていると足裏の痛みが激しくなってきたので佐幸選手と西田選手の二人に先に行ってもらい、マメの処置をする。
靴と靴下を脱ぐともう見るも無残にふやけており如何ともしがたい状態だったが、気持ち程度にきれいに拭いてワセリンを塗った。

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ふやけた足裏(閲覧注意)

先行していた2人に追いつきたいと思うとなんとか痛みを我慢でき、下りでは小走りできた。

聖平小屋に着くと2人が休憩していた。
ここでは足を乾かしながら、カレー大盛りと無料サービスのフルーツポンチを食べた。
小屋の方々はみなTJARに好意的で応援してくれ、ウインドブレーカーにサインするよう頼まれた。
食事を済ませ準備ができると、2人はまだ準備していた。
2人より歩行が遅いようだったので、1人で先に出発した。

ここから上河内岳の分岐までが山中では最後のはっきりとした登りとなる。
登りは足裏も痛まず、まあまあのペースで登れたと思う。
登りが終わるころには徐々に天気が良くなってきたので上着を脱いでいると2人に追いつかれ、そのまま先に行ってもらった。
追いつこうとするが、やはり2人とは下りと平地を歩くペースに差があり、どんどん離されるようだった。
しかし登りはこちらの方が速かった。
茶臼小屋分岐直前の緩い登りで2人に追いつき、一緒に茶臼小屋に着いた。
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茶臼岳へ向かう尾根。せっかく脱いだのにすぐに天候悪化(西田選手撮影)

茶臼小屋では大歓迎を受けた。
小屋に上がらせてもらい、カレーとサービスのゼリーを食べた。
とても美味しく、宿泊者用の夕食もとても美味しそうで今度は宿泊したいと思った。本当に感謝。
最後の下りを乗り切るため、食事をしながら足裏を乾かし丁寧に処置をした。
準備が終わるころには雲から晴れ間が覗いていた。

とても名残惜しいが出発する。
出発のため小屋の外に出ると、ミスターボーダーラインことTJAR完走者の宮崎選手が小屋の前にテントを張っていた。
初対面だったが声をかけるとにこやかに話してくれ、今の時間にここに居れば大丈夫と太鼓判を押してくれた。
ありがとうございます。

3人で大声援を受けながら出発した。
処置のせいか痛みも和らいでいたので、自分が先頭で小走りで進んだ。
しかし、苦手な急斜面の下りかつ筋疲労させないよう抑えているとはいえ思いの外時間が稼げない。

眺望もなく下りに嫌気が差してきた頃に横窪小屋に到着した。
小屋前のベンチで休憩していると管理人が出てきて、熱心に応援してくれた。
管理人が荷物にならず迷惑でなければ、補給食セットを破格で買ってくれないかという。
迷惑なんてとんでもない、腹ペコの自分は何個でも欲しいぐらいだった、ほんとうにありがとうございます。
大きな模造紙に名前とコメントを書き、出発した。
出発する頃には日没していた。
ゆっくりコメントを見に来たい。

横窪小屋からウソッコ沢小屋までの急な下り斜面も小走りだったが、やはりペースはいまいち上がらなかった。
足も痛み出し、周囲も暗くなったことでモチベーションも下がっていた。

集中力を欠いたままウソッコ沢小屋に着く。
自分は休憩するつもりだったし、佐幸選手もそうだったと思う。
すると、ここで西田選手がしびれを切らしたように先行きたいというので、先行してもらった。
ここからが西田選手の本領発揮だった。
緩い下り斜面やガレ場、わかりにくい道を恐怖を覚えるような速度でどんどん進んでいく。
その迷わない足運びとスピードはさすが女子のトップトレイルランナーとほれぼれした。
圧巻の歩きで畑薙大吊橋に到着する。
ここでぐずぐず下っていたら、後々の時間が厳しかったかもしれない。
西田選手は勝利(完走)の女神だと思った。
自分もあとから聞くと佐幸選手もついていくのが精一杯で怖かったそうだ。

畑薙大吊橋を渡ると、またもや雨が降っていることに気が付いた。
自分はそうでもなかったが2人はかなり眠そうだった。
みんなで少し迷ったが、近くのバス停?で15分ほどの仮眠時間を設けた。
2人が仮眠をしている間、自分は足のケアをしていた。

休憩後出発するが、足裏の痛みから2人の歩きにまったくついて行くことができず先に行ってもらう。
30分ほど歩き、ゲートに到着すると2人がいた。
まだ2人は眠いらしく、管理棟?の軒下で1時間仮眠することにする。
その間も自分は仮眠せずに足のケアに専念した。
このころには足のふやけやまめに加え、むくみも出ていた。

仮眠を終え、ゲートを出発するとやはりすぐに2人に遅れだした。
「登山道も終わったしこのまま行っても足を引っ張ってしまうし良いことがないのでこれからは別行動にしたい、先に行ってほしい。」と告げ、2人には先行してもらった。
割と短時間で畑薙第一ダムに到着すると、2人が自販機での買い物を終え出発するところだった。
たぶん待っていてくれたのだと思う。ありがとう。
自分にダムを渡ったら一本道であることを教えくれ、どこかでの再会を誓い、2人は進んでいった。

自販機で(あまり眠くなかったが)眠気覚ましにコーヒーを買って飲み、すぐに出発した。
しばらく歩いていても足のむくみがひどく、全然足が出なかった。
時速4kmも出ていなかったと思う。
このままでは間に合わなくなると思い、意を決して小走りする。
だましだまし小走りを続けていると突然足がふわっと軽くなるのを感じた。
なんと、むくみが取れていた。
早く歩けなくてもまだ走れる、いけると俄然モチベーションがあがる。

そのまま小走りを続けていると、白樺荘の手前で歩いている佐幸選手に追いつく。
佐幸選手は自分が走っていて追いついたことに驚き、感心していた。
少しだけ並走し、エールを交換してから追い抜いた。
白樺荘では深夜にもかかわらず大勢の方が応援してくれた。
また、道中でも何台かの車から応援をいただく。感謝するほかない。

さらに小走りを続けていると、歩いている西田選手にも追いついた。
西田選手には「来たねー、来るかなとは思っていた」と言われ、西田選手も小走りをはじめしばし併走した。
すこし走ったところで自分は補給のため立ち止まる際に、西田選手はそのまま走って先行して行った。
またいつか追いつくかなー、と小走りを続けていると何個目かのトンネルの出口で飯島選手が待っていていくれた。
足裏が厳しいことを伝えると、「多少時間を使っても、足裏をしっかり乾かした方が結果的にゴールは早くなる。」とアドバイスをいただく。
大浜海岸での再会を誓い、先に進む。

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どこかのトンネル?(FBより)

井川AC手前の最後の長いトンネルにさしかかると、出口で大きく手を振って待ってくれている人が見えた。
応援の声も聞こえるような気がする。
「もうちょっとで井川ACか、待っていてくれるなら頑張らないと」と思いがんばって小走りで進むが出口には誰もいなかった。
今大会通じて最初で最後の幻覚だった。
眠くもなく意識もはっきりしているつもりなのに見えた幻覚は初めてで、自分の限界が近づいているのかと思った。

その後すぐ、4時前ぐらいに井川ACに到着した。
このころには雨が止んでいた。

井川ACでは西田選手が仮眠していた。
「追いつきませんでしたー。」というと「がんばって逃げた。」と言われた。
逃げなくてもいいだろーと少し思った。

雨が止んでいたので管理棟の軒下ですべての荷物をぶちまけ、乾かしにかかった。
管理棟で待っていてくれたお姉さんに裸足でもOKをもらい、裸足で管理棟にお邪魔しカレーとトマトをお菓子を食べ、ジュースも飲んだ。
お姉さん方は大変優しく、食事中も気遣ってくれ、いろいろ話しかけてくれた。
腹も満たされ、荷物の整理をしていると佐幸選手が到着し、中で食事ができることを伝えた。
荷物の整理中に急に眠気が来て、後ろに倒れ込むようにして寝てしまった。

スライド7
この日の行程。荒川小屋から井川オートキャンプ場まで
週明けから再開しますー
あと2話ぐらい
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