PTL5日目(8/28)


目覚ましの電子音で目を覚ます。
30分ほどだが熟睡でき、眠気もすっきりしていた。
寝ぼけながらに見回すとサコさんのスマホのようだった。
サコさんは音の消し方がわからないらしく右往左往していたので、自分が消した。
周りの選手も起きてしまったようだ、申し訳ない。

あまり店を広げていたわけではないのでささっと準備して出発する。
おそらく4時頃出発したと思う。
天気は相変わらずよく、星と月が美しい。
月は満月に近くなっていた。

30分ほど歩いたところで最後の峠「Revedin」への登りにかかる。
ここも踏み跡程度の道で先行チームが迷っているようだったが、こちらはほとんど迷わずに登れた。
仮眠を取ったので眠気もすっきりしていて調子が良く先頭を歩いた。(ここから先頭を歩くことが多くなった、これまでは主にトニーが先頭だった)
反面、あとの二人は調子が悪いのか、同じペースのつもりでも少し距離が開くようになった。
峠の中腹に差し掛かると道もはっきりしてきて、表示もでてきたので迷いがなくなり一気に上る。
峠の直前に避難小屋があったが素通りして分岐までそのまま登った。
5:20に4つ目の登りもクリア。

とにかく次のエイドの「prayon」まで早く行きたかったのですぐに下りはじめる。
標高差1000mの下りだ。
この下りは最初は浮石だらけの崖の近くを下り、後半は草付きの片斜面をジグザグに下るというものだった。
前半は非常に緊張感があり、後半は朝露で濡れた草付き斜面で何回もすべりお尻から転んだ。
幸いに草付きであるため痛くはないものの、気持ちがそがれていく。
夜も白む頃にようやく普通の道へ降りる。
ようやく安心して気楽に15分ほどあるいて6:45頃に「Prayon」に到着。

「Prayon」には「西田さん」と命名した男女ペアが先着していた。
この女性は非常に元気そのもので、ミュージックに合わせて踊ったりしていた。
海外の選手はほんとに底知れない、日本じゃ規格外だと思った。
食事も美味しく、天気もよく、難所を越えたことで気持ちもすっきりしていた。
3人で今後の方針について意見を交わした後、3時間ほどコットで仮眠する。

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食事風景。二人とも眠いかな?(コットの写真も撮れば良かった)

3時間弱で目を覚ますとトニーがすでに起きて準備していた。
サコさんを起こし準備する。
この頃になると、起きた直後の準備も手際が良くなっていた。
わりとすぐに準備が終わり出発する。

すでに200km以上を踏破しており、次の目的地は最終関門の「Champex」、19km、D+1500mの道程だ。
10:30頃の出発だったので関門時間の20時には余裕で間に合うだろうと、気持ちも晴れやかだ。

「Prayon」を出てすぐ、気合を注入する。
少し下り対岸に渡ると、懐かしいUTMBのコースに合流した。

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出発直後の下り

UTMBのコースは「ツール・ド・モンブラン(TMB)」のコースでもあり、ガイドブックを片手にトレッキングを楽しむ人と多数すれ違う。
そのたびの「ブラボー」「ヤレヤレ」と声をかけていただいた。
この場所にNHKスペシャルの「激走モンブラン」で鏑木選手が走っていた右手が崖の鎖付きのトレイルがあり、ちょっとまねをしながら遊んだりした。
30分ほどでUTMBコースと別れ、「Lac d'Orny」への登りとなる。

下から見ると、遥か彼方にトレイルが続いている。
しかしそんな状況はもう慣れたもので、坦々と登る。
舗装路~森林のトレイル~森林限界を越え展望のトレイルと姿を変える整備された道を歩く。

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気持良い道を歩く

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変顔じゃないサコさん

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目指すは氷河の奥

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絶景のトレイルを登る

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振り返っても絶景だ

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最後の一登り

天気がとてもよく、昼間の時間帯だったのでとても暑い。
水を節約し、途中の川で顔を洗ったりながら、それでも坦々と気持ちよく登っていき、次の下りの分岐までと「Glacier d'Orny」氷河が見えた14時過ぎに少し離れてしまった後続を待つ。
3人が合流すると、どうやらトラックログの分岐を過ぎてしまったらしい。
そんなバカな、分岐なんてなかったはず。。。
少し戻っても分岐はない。
どうやらトラックログはガラ場をショートカットしろと指示していた。
うかつだった、いままでの草原でのトラックログを考えれば容易に想像できた。。。

気を取り直してガラ場を半ば無理やり下りトレイルに出る。
トレイル沿いの沢では涼みに来ている人が多く、ここでもよく声をかけられた。
道標に「Champex」の文字を見つけるが、どうやらそっちではなく遠回りらしい。
トラックログに従い分岐を人けのない道へ進む。
また途中からバリエーションか。。。と嫌な予感がするがそんなことはなく、整備されたトレイルだった。
それでもアップダウンからの1,200mの急な下りはなかなかの手ごたえだった。

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道はどこだ?

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割れ目をハイハイ(ここで動物のフンがあったらリタイアだなー)

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最後のアップダウンの登り

急な下りが終わった後は林道を坦々と下り、「Champex」湖畔へ。

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CCCルートの対岸からChampex湖畔を逆走

「Champex」湖畔はUTMBシリーズで開催中のCCCのエイドにもなっており、とてもにぎやかだった。
スイス美人のランナーが湖畔をジョグし、子供達やその親が湖水浴を楽しんでいる。
その中を逆送する我々3人組はCCCランナーからも注目され、ハイタッチなどしながら「Champex」のエイドへ17時前に到着する。

「Champex」のエイドはCCCの選手とその応援でお祭り騒ぎだったが、PTL選手が到着するとアナウンスが流れとても注目された。
席もPTL選手用は入り口付近に別に用意されており、特別待遇だった。
少し申し訳ない気持ちになりながら、食事をしていると、先着していたチームからトニーが次の「Catogne」D+1200mがルート変更でキャンセルになったと聞いたらしい。
びっくりして運営に聞きに行こうとすると、度々応援に来てくれていたKさんがやってきて説明してくれた。
なんでも今年はコースがきつすぎたらしく、トップのチームが運営の予想タイムより1日近く遅く進んでいる状況で、「Morgex」の関門は3時間、「Champex」の関門は5時間それぞれ延長になっているそうだ。
「Catogne」のキャンセルも完走率を上げるためになされたようだった。
こっちとしては行く気満々で今後のプランを考えていただけに、拍子抜けしたのとがっかりなのと今晩はゆっくり休めそうとちょっとだけうれしいのとがごちゃまぜになった複雑な気分だった。
サコさんは強気に「「Catogne」もやったんでぇー!」と何回も言っていた。
実は我々が「Morgex」を出発する時点で関門延長と「Catogne」キャンセルの情報は流れていたらしく、早く教えてくれよって感じだった。。。
Kさんは我々が知らずに来たことに少しあきれ気味だった。笑
これで「Morgex」で出発制限時間を過ぎても寝ているチームが多かったことの謎が解けた。

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Champexで休憩中(amatchはおでこのツートンカラーの日焼けを隠している。笑)(Kさん撮影)

7時間ほどかかると思っていた当初のルートが4時間弱ほどに短縮されるとこがわかり少し気が抜けた。
作戦を考え直し、次の「Col de la Forclaz CH」で今夜はゆっくり(といっても4時間予定だが)寝ることとした。
ゴールの時間を観客が待っている夜明け後に調整するという案もあったが、完走するだけじゃ物足りない、達成感が欲しいということで「Col de la Forclaz CH」からの最後の60kmは寝ないで行く、その結果深夜ゴールになってもかまわないという方針を決めた。(結果的にそんな心配は必要なかったが)

スマホを充電しSNSをチェックすると、職場の同僚で今夏にパリに転勤となり、今回応援に駆けつけてくれるといっていたラン仲間のI君が、なんと置き引きにあい、パスポートや登山用品の一切を盗まれてしまったことが判明する。。。
パスポートまでやられてしまったので着のみ着のままで駆けつけることすらできないと、応援を断念するとのことだった。。。
ご愁傷様です。次はいつ会えるかな?

最終関門なので食事休憩を含めて1時間ちょっとをかけて慎重かつ丁寧に装備をチェックする。
shotzは1人20本以上、shotzのエレクトロライトパウダーはすべて、カレーメシ3食その他お菓子などの最後の1日分の食料の補充やと電池交換と予備電池の補充などを入念に行う。
3人そろって大きく店を広げすぎて、CCCの選手が来るたびにこちらを注目したり、後続チームのために片付けてくれと何回も言われてしまった。笑

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La Petite Trotte à Léon(PTL) の由来となったLéonさんと(Kさん撮影)

準備が完了し、出発する直前にびっくりする光景にあった。
「Champex」エイドの入り口のまん前の席で、妙齢の女性(欧州美人)が上半身真っ裸で着替えをしていたのだ。
すぐにサコさんに合図するとガン見していた。
トニーにも合図したが、Kさんの偶然のブロックにより見えなかったらしい。

出発直前にいいことがあったので、元気に18時半頃に出発した。
エイドを出ると(Kさんも車に戻るので一緒に少し歩いた)その話題でしばらくは持ちきりだった。
なんでもこちらの男性はエイドで下半身も裸で着替えたりして目のやり場に困ることもあるらしい。笑
「Champex」湖畔でKさんとまた先のチェックポイントで会いましょうと別れ、今日の目的地「Col de la Forclaz CH」へ進む。

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良いことがあったので満面の笑みで出発(Kさん撮影)

この区間はほとんどCCCの選手と同じルート(つまりはUTMBと一緒)だった。
CCCの選手はまだまだ元気で下りや平地、ゆるい登りは走っていて抜かれる一方だった。
こちらがPTLの選手だとわかると多くの人が声をかけてくれた。
ここらへんはUTMBを走ったのでなんとなく覚えているし、選手も多く(「Prayon」→「Champex」ではどのチームとも会っていない)、コース表示もあるのでとても気楽に進んだ。

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コース表示にニンマリ

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林道奥の私設エイドで給水。UTMBとCCCの選手はわかるかな?

林道が終わり、急斜面にかかるところで日没したが、やっぱり選手が多く気が抜けた感じで進んでしまった。
トニーが眠そうだった以外は何の問題もなく「Col de la Forclaz CH」へ22時過ぎに到着。
感覚的にはUTMBの時より短く感じた。

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CCCの選手

「Col de la Forclaz CH」はCCCやUTMBのエイドとは少しはなれたところにあるレストラン付きホテルで、危惧していた睡眠も充分にとれそうだった。
なにしろUTMBのエイドは夜間でもお祭り騒ぎで大音量で音楽を流しているため、併設された仮眠所ではゆっくりできないと思っていた。

陽気なお兄さんが印象的な「Col de la Forclaz CH」のレストランでは絶品のボロネーゼを食べた。

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PTL特別メニュー

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陽気なお兄さんに撮影してもらったレストランの写真。場違い???

寝室はちゃんとしたベッドルーム(2段ベッドで相部屋だけど)で文句なしだ。
貫徹の次に日に備え、約4時間睡眠の3時起床とした。
先客がいるのでベッドルームを出て寝る準備をしていたが、2人はそのままあっという間に眠ったらしい。
amatchが10分ほど寝る準備をしてから部屋に戻るとすでに寝ているようだった。

蛇足だが、amatchはのび太ばりに即寝体質らしく、寝る体制に入ると、「寝転がってすぐ寝た」「会話が途切れた瞬間にいびきかいて寝た」「会話の途中で寝た」などといわれない非難を比較的多数の人から受ける。笑

この日の行動
行動時間約20時間(3時間の仮眠を含む)、約42km、D+約3000m




続く(続きは週明けの9/13の予定です)
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